金属を使用したアクセサリーやキーホルダーがどのように作られていくか、ご存知でしょうか。
今回はアクセサリー業界でよく使われる言葉「キャスト」と、3つの製造方法についてご説明いたします。
目次
キャスト・鋳造とは
鋳造のことをアクセサリー業界では、俗にキャストと言います。
まず鋳造とは、金属加工方法のひとつであり、日本においては青銅製の鏡や大仏などの製作、建立においてもこの技術が活かされていました。
鋳造の基本的な方法は、熱することでドロドロの状態にまで溶かした鉄などの金属をあらかじめ作製しておいた鋳型(いがた)に流し込み、それを冷やすことで固めるというものです。一度鋳型を作ってしまえば、同じサイズや形の製品を大量生産することが可能なため、近代産業の発展においてこの技術の存在は大きかったと思います。
鋳造の技術をアクセサリーに応用して製品を作るときは、熱した金属を流し入れる鋳型の種類が製造する製品の特長に合うことが重要となります。
当社でアクセサリーの鋳造に使う鋳型は3種類になります。
石膏型を使用して鋳造するロストワックス製法 、金型を使用して鋳造するダイキャスト製法、ゴム型を使用して鋳造するラバーキャスト製法を納期やコストに合わせてご提案させていただいております。
それぞれのアクセサリー製造方法をご説明させていただきます。
ロストワックス製法とは
ロウソクのようなワックスでモチーフの基となる原型を作ります。
その原型を筒状の鉄枠で覆い、石膏を流しいれ固めます。
高温で熱するとワックスの原型は溶け、石膏内に空洞ができます。
その空洞に真鍮・シルバーなど金属を溶かして流し込み空洞を金属で満たします。
その後、石膏を壊してパーツを取り出します。
「ワックスが溶けてなくなる」製法なので、「ロストワックス製法」と呼ばれています。
その都度、ワックス原型を溶かし石膏型を壊して生産する製法なので手間がかかり、他の製法に比べると単価は高くなります。
柔らかいワックスを加工して原型を製作するので、繊細な加工ができます。
そのためアクセサリー業界では、主にジュエリーの製造に用いられることが多い製法になります。
ダイキャスト製法とは
高温で溶かした金属材料を、圧力をかけて金型へ注入する鋳造技術のひとつです。アルミニウムやマグネシウム、銅などの部品を大量生産することができ、寸法が精密、加工表面の美しい仕上がりが特徴です。なお、この方法で作られた製品自体のことも、ダイキャストと呼んでいます。金型に溶融した金属を圧入することにより、高い精度の鋳物を短時間に大量生産する製造方法になります。
ラバーキャストに比べて金型代などの初期費用は高価になりますが、低コストの製品づくりが可能です。
当社では主に、単価が安いキーホルダーなどのチャーム類の製造に用いられることが多い製法になります。
ラバーキャスト製法とは
鋳型に円形のゴム型を使用し、回転させることにより遠心力を発生させ、型中央から注いだ合金を型隅々に流し込む製法です。
金型を使うダイキャストに比べ初期投資を抑えることができます。
素材は主に錫合金・亜鉛合金を使用します。
アクセサリーのモチーフから指輪まで、数百から千個程度の量産に向きます。
鋳造で製造できるものに関しましては、上記3つの製法から、デザイン、コスト・納期に合わせてご提案させていただいております。
鋳造以外の方法、プレス・エッチングなどでも製造可能ですので、作りたい商品に合わせて最適な製造方法をご提案させていただきます。
商品を作りたいけど仕様やコストでお困りのお客様がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談くださいませ。